(IT) Ichigo-Jamを作ってみた

仕事関連の会食で教えてもらったIchigo-Jamを作ってみた。
$15というか1500円ということでイチゴなんだそうだ。
子供たちにPCとは何かとか、プログラミングの初歩を教える教材。
自分でICチップ、抵抗、コンデンサ、LED、コネクタを小さなボードに
自分でハンダづけして、完成したら、キーボードとテレビをつなく。
PCモニタではなくて、テレビ。

会食の帰り道、電車の中でAmazonで発見してポチっと購入。

だいたいにおいて、オレの場合、よく調べずに買う。今回もちょっと失敗。
オレがポチったのは、基本的なセット。これは、指先に乗ってしまうような
ICチップを基盤にハンダづけしないといけなくて、これはさすがに無理でしょ。
ICチップだけはハンダづけしてあるこっちのハーフキットがおすすめ。

そんなことは事前には調べず、友達の心配を無視して、作業開始。
ハンダづけは一応、心得といか、経験はあるわけで。

「なんだよー、いうほど大変じゃないじゃん」と思いつつ手順通り組み付けていくと、
ICチップの手順でぱったり手が止まる。このサイズのハンダ付けは無理だよ。

facebookで「無理ー」って書いたら、キヤノンとかSONYとかIBMとか
ゼロックスとかのエンジニア各氏が「ビヤーってハンダ流せばいけるよ」と
囁いたけど、騙されないよ、オレは。
九州のT氏の情報でコアキットがあるとのこと。
そういえば、今日の夕方飲むはずの静岡のよっちゃんが亀戸から横浜へ移動する
はずだな、と思ってメッセージでお願いしてみる。
「秋葉原の秋月でこれ買ってきて」
無茶なお願いだったが、なんと本当に買ってきてくれた。

飲み会で受け取ってAmazonプライムより速く入手できたよ。
お友達ネットワークに感謝でござるよ。

さすがに飲んだあと細かいハンダづけはできないので、翌朝作業再開。
ICソケットをハンダづけして、昨日受け取ったコアを差し込む。
電源、キーボード、テレビをつないで電源on!
見事に一発でBASICが立ち上がった。

ああ、こんなことを小学生たちとやりたいなあ、と思うものの、そんなチャンスが
あるわけもなく。孫が産まれて、BASICを理解するのを待つのみか?(笑)
もし、ハンダづけからプログラミングのイベントがあったら、サポートスタッフで
呼んでください。コンピューターの楽しさを教えてあげたいなあ。

(IT) 学園祭の思い出

急に秋が深まった夜に、BASICといういにしえの言語に触れる機会があり、
なんかふと昔の記憶が甦ったので、この機会に書いておく。

1980年代後半に大学生活を送っていたわけだが、その中でも学園祭は
大きなイベントのひとつだった。
所属していたコンピューターサークル(厳密にはサークルではないのだが、
そのあたりの話は置いておいて)は毎年、コンピュータ占いの店を出していた。

だいたい1回300円程度で、いろいろな占いをやっていた。
この写真の後ろに料金表がある。

もう30年前だから時効だと信じて白状すると、当時本屋さんで売っていた
占いの本や雑誌の「性格診断」「相性診断」「心理テスト」なんかからネタを
頂いて、再構成したものを、プリントアウトして渡していた。
一冊に偏るとさすがにアレだってんで、いろいろ混ぜて構成はしていた。

事前にネタの調査を始め、一応ロジックらしきものも組み、プログラムを書いた。
画面はお客さんに見せないので、メインはロジックとプリントアウトの美しさ。
ほぼすべての占いはBASICで作られていた。ロジックが破綻しないよう、
どんな選択肢や生年月日であっても大丈夫なように、デバッグもだいぶした。
前夜には、かならず徹夜で泊まってデバッグをするというのが恒例だった。
10月下旬の時期は、昼間暖かくても、夜、すごく寒くなって震えてデバッグ
してた記憶がある。会場になった教室には事前にメンバーが自宅からPCや
プリンターを持ち込み、並べてカウンターにした。ブラウン管モニターの
奥行き感がすごいな(笑)

NECのPC-9801,PC-8801,富士通のFM-7,FM-8なんかが中心だったと思う。
オレは2年生からは「恋人リサーチ」というリアル出会いサービスを始めた。
本人の属性と相手に望む事を「ランダムファイル」というデータベース
もどきに格納し、相性がいい人の電話番号などを後日郵送でお知らせ
するという、昨今のような個人情報に神経質な時代では考えられない
ようなサービスだったが、4日間で男女合計2000人近くが登録していた。
一応、高校生不可にしてたが、基本自己申告だった。ごめんなさい。

マッチングは大変だった。ドンピシャだけを先にマッチングしてしまうと、
後半、ぜんぜんタイプではない人を紹介しないといけなくなってしまう
ので、各人をスコア化して、スコアの低い人からマッチングしたりと
いろいろ工夫もした。学園祭当日は紙で書いてもらっていたので、
後日の打ち込みもそれはそれで大変だったなあ。

当時の早稲田祭はなぜか入場料が取られていた。これが学生運動の
団体への資金源になっているなど、その後しばらくもめていたが、その後
どうなったのかは確認していない。
有料だったにもかかわらず、ものすごい人出で、出店は早稲田の学生だけでなく、
早稲田のサークルに入っている他大学の女の子たちもたくさん来ていて、
賑やかだったし、お客さんもたくさん来て、コミケのときのビッグサイトくらい
地面が見えなかったものだ。
有名芸能人のライブもたくさんあったので、前売り券を買って観に行ったりしていた。

占いは、携帯電話向けのサイトでいくらでもできるようになったので、
今となっては成立しないモデルのサービスだったが、用紙は1枚あたり10円、
プログラム代金はメンバーのボランティアだったので、粗利率96.7%という
驚異のビジネスだった。
売上は、メンバー全員のプリンタリボンの支給、ご褒美のフロッピーディスク支給、
一回だけ焼き鳥飲み食い放題の打ち上げ以外は部室に新しいPCやプリンタを
買う資金にあてていた。意外と真面目だったんだなあ(笑)

写真提供:Geru

(IT) 【注意喚起】件名:「セキュリティ警告 」なるメール

すでにJPCERTでも注意喚起がなされている迷惑メールの件。
まあ、ただの迷惑メールなんで、その存在がどうとか、アドレスの流出経路は?みたいな話しもあるけど、大抵は取引先からダダ漏れだったりする。オレの過去記事
(IT) 【注意喚起】Gmail(Google Apps)をターゲットにしたスパム
を参照のこと。

内容的に情報システム担当者へ転送しづらかったり、ちょっと控えたくなる内容の迷惑メールがもろもろのフィルターを通り抜けて一般利用者へ到達する事例。
FromとToが同一で、「あなたの恥ずかしい姿を会社中にばらすよ?」という内容。
これ、一種の踏み絵で、「いやいや、そんな恥ずかしい姿撮られるはずがない」と毅然と対応できるかどうかを判定できる。
悪意のあるスクリプトがしこまれていたり、添付ファイルがあるわけではなく、ただ単にビットコイン払え、みたいな不正請求はがきと同じレベル。
機械翻訳っぽい日本語で、不自然だし。一見して迷惑メールとわかる内容。
現状、弊社では受信時のフィルタで検疫しているが、何通ががもれてしまった。
お知り合い各位も、「こういうメールが到着したら、正しくエスカレーションされるか?」という観点で自社の利用者の意識チェックをしてもらえれば、と。

<<<問題のメール>>>
<From:>
自分のメールアドレス

<To:>
自分のメールアドレス

<Subject:>
セキュリティ警告

<body:>
こんにちは、(自分のドメイン)の親愛なるユーザー。
あなたのデバイスに1つのRATソフトウェアをインストールしました。
この瞬間、あなたのメールアカウントはハッキングされています(今、私はあなたのアカウントにアクセスできます)。
あなたのシステムからすべての機密情報をダウンロードしました。私はいくつかの証拠を得ました。
私が発見した最も興味深い瞬間は、あなたのマスターベーションのビデオ記録です。

私はポルノサイトに自分のウイルスを投稿し、それをあなたのオペレーティングシステムにインストールしました。
ポルノビデオの再生ボタンをクリックすると、その瞬間に私のトロイの木馬があなたのデバイスにダウンロードされました。
インストール後、フロントカメラは自慰行為のたびにビデオを撮影します。さらに、ソフトウェアは選択したビデオと同期します。

今のところ、ソフトウェアはソーシャルネットワークと電子メールアドレスからすべての連絡先情報を収集しています。
収集したすべてのデータを消去する必要がある場合は、BTC(暗号化通貨)で550ドルを送ってください。
これは私のBitcoinウォレットです: 19rq65nR7FqvEgeq3r8YmHGupsUvnD3pmD
この手紙を読み終えてから48時間経っています。

あなたの取引後、私はあなたのすべてのデータを消去します。
さもなければ、私はあなたのいたずらを伴うビデオをあなたのすべての同僚や友人に送ります!

そして今後はもっと注意してください!
唯一の安全なサイトにアクセスしてください!
さようなら!

(IT) サマータイムは勘弁してくれ

サマータイムがなんでダメなのか、システム屋視点で。

「朝7時に起きてるオレが5時に起きるわけだろ」とか「18時に仕事終わるはずが16時に終わるわけだろ」的な標準時とサマータイムの差が嫌だみたいな感想はどうでもいい。まじでどうでもいい。2日目以降は通常の24時間サイクルなんだから、問題ないことに気がつけよと思う。太陽の傾きが健康に及ぼす被害があるかもしれないけど、そんなもん気にしなくていいって、前例はたくさんあると思うよ(未検証)。
でもね、システム屋視点で何がいやか書いておく。いや、ほら、検証に何年もかかるみたいなざっくりした批判がIT屋の総意みたいに取られても面白くないんでね。
要するに「できない」んじゃなくて、最初から(設計段階から)言っといてくれれば、ちゃんと動くように作れるのに、短い期間で後から対応するのが不可能なだけ。

2020年の5月のある日、日本にサマータイムが導入されたとしましょう。
5月下旬のある日、未明の「一般生活に影響がないと思われる早朝」のタイミングで導入されるとする。
深夜1時59分59秒の次に4時00分00秒が来る、と仮定しましょうか。
そうするとこの日は2時台と3時台の時刻が存在しないわけですよ。
ということは、まず、毎晩2時台とか3時台に取得することにしてるバックアップを実施するトリガーがないわけです。
サマータイムが導入されて何か起こるかわからない日のデータのバックアップ取れないことになるわけ。
その日だけ早めにバックアップすればいい?いやだから、1時台までにいろんな処理が終わったあとで2時台にバックアップしてるわけで、バックアップだけ早い時間にやればいいわけではないのはわかりますよね?データの更新終わってなくて前日のバックアップと同じデータのバックアップが取れてしまっても意味ないっしょ?全部の処理をちょっとずつ前倒しするの?その動作確認する?まじで?そこの再設計と検証が大変なんだよって話だよ。単一のシステムではなく、いろんなシステムが処理をして、翌朝の決済とか配送の処理してるのに、2時間たりなかったら、処理終わらないかもじゃん!誰が責任取ってくれんのよ、これ。

いや、神業的処理でサマータイム導入時を乗り切った俺たちの次の関門はサマータイムをやめる日。
深夜3時59分59秒の次に2時00分00秒が来るのかよ。その日2回めの2時台と3時台かよ。ふつーにバッチまわったら、重複処理になるだろう。お客様へ同じ商品2個届くよ。在庫足りなくなって自動発注かかるよ。それ、返品来るよね。おいー、まじかーってなるでしょ。1回めの3時台にパスワード変更したら、2回目の2時台はそのパスワードでログインできるべき?1回目の3時台のお客さんの方が2回めの2時台のお客さんの方が先だってこと、どうやってシステムに理解させればいいんだろう?これを起こさないように手配して実装してテストすんのか。あ、でも2回めの2時代の注文は全部ナシにしてはいかんわけだしうおー、気が狂いそうだ。
#あ、その2時間はサービス止めちゃえばいいのか(悪魔のささやき)。

∴サマータイム導入に反対です

(IT) viエディター

1980年代でも、CPUをシェアして使うという考え方は一般的だった。
汎用機もUNIXも一台も「ホスト」にダム端末と言われていたグリーン
一色のディスプレイをもつ端末がたくさん繋がれており、操作する人は
時々まわってくるCPUの順番で処理を許された。
こんなやつ。

CPUは文字の入力、プログラムの実行、コンパイルなど様々な処理に
対して「時々まわってくるもの」だった。ヒナがたくさんいる親鳥が
一斉に口を開けてピーピー言ってるヒナに順番に餌を与えるように。

オレの最初の端末もSun4-330にRS232cで接続されたtty端末だった。
いまでは/dev/tty0とかは、マルチウインドウの1枚のウインドウに割当
られているが、当時はダム端末の一台に割り当てられていた。
config.sysやautoexec.betを書いていた世代だったので、.cshrcや.loginを
書くことには抵抗がなかった。
当然、.cshrcも.loginもviで編集せざるを得なかったわけである。

だから、カーソルを移動するだけでCPUを使うのは、時間の無駄だった。
スクリーンは10行ほどスクロールすると動きを止め、数秒後にまたスクロール
した(感覚には個人差があります)。
viはそんな時代に開発されているので、いかにすくないキータッチで目的の
編集ができるかを主眼に開発されていると行っても過言ではなかった。
「カーソルを行末へ移動する」「カーソルを最終行へ移動する」などは
「$」と「G」に割当られているし、10行ヤンク(コピー)してペーストも
「10yy」と「p」で実現される。文字列の検索も置換も秀逸だ。

ながながと書いたのは、若い人も是非viを修得して欲しいということ。
サーバー管理でよくあることは、とあるプロセスがメモリを食いつぶして
今にも息絶えそうなサーバーにログインさえできれば、問題のプロセスの
設定ファイルを書き直して、プロセスの再起動をする、というようなことが
できる。設定ファイルをftpで落としてきてローカルのメモ帳で直して再度
アップロードするなんてするなら、ftpdも動いてないといけないし、ポート
も開いてないかもしれない。

以前から採用の面接の時、「エディターはviです」という子は贔屓するように
しているのはナイショだ。